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法定相続分ってなに?

  • 執筆者の写真: 村田 悠良
    村田 悠良
  • 1月24日
  • 読了時間: 3分

法定相続分とは、相続が発生したときに被相続人(亡くなった人)との続柄に応じて定められる相続分のことをいいます。

ここでは、法定相続分についてより詳しく説明していきます。


1.遺産分割のルール


遺産分割の基本的なルールとして、遺言による指定は法定相続分に優先します。

遺言がない場合や、有効でない場合には相続人全員で話し合って遺産分割の方法を決めます。これを、遺産分割協議といい、この協議をまとめた遺産分割協議書を用いて遺産分割手続きを行っていきます。法定相続分はこのときの目安となる相続割合です。


2.法定相続分とは


法定相続分は、民法によって定められる相続割合のことをいいます。

法定相続分は一律に定まっているわけではなく、相続人と被相続人(亡くなった方)との続柄によって割合が定められます。遺産分割のルールの中で、法定相続分を目安に遺産分割を進めると説明しましたが、あくまで遺産を分ける際の目安であり、絶対的なものではありません。そのため、必ずしも法定相続分どおりに遺産分割を行う必要はありません。財産の種類や生前の関係を考慮して法定相続分とは異なる分割も可能です。



※配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

※子がいるときは、子は相続人になります(民法887条1項)。

※父母(直系尊属)は、子がいない場合に相続人になります(民法889条1項1号)。

※兄弟姉妹は、子と父母(直系尊属)がいない場合に相続人になります(民法889条1項2号)。

同じ、続柄の相続人が複数いる場合は、法定相続分を按分します。

例えば、相続人が配偶者と子2人の場合、法定相続分は配偶者1/2、子がそれぞれ1/4ずつとなります。詳しくは、4.法定相続分の具体例をご参照ください。


3.法定相続人に該当する人


法定相続人に該当するかどうかは、相続人の構成によって変動します。ここではルールを簡単に説明しますので、詳しくは、関連記事の「相続人はどう決まる?」をご参照ください。


(1)配偶者は常に法定相続人となる

配偶者は常に相続人となります(民法890条)。この配偶者は法律婚の場合のみであり、事実婚の場合には法定相続人にならないため、注意が必要です。


(2)子、直系尊属、兄弟姉妹の順番で法定相続人となる

子がいる場合は、子が相続人になり、直系尊属や兄弟姉妹は相続人になりません。ここでの「子」には、養子や被相続人(亡くなった方)に前配偶者がいる場合にはその子も含みます。

子がいない場合には、直系尊属(父母)が相続人となり、直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人となります。



(3)代襲相続

被相続人が亡くなったとき、既に上記の相続人が亡くなっていた場合、相続人の子ども(被相続人の孫や甥姪)が代襲相続によって相続人となります。

代襲相続は、相続人廃除(被相続人が相続人の相続権を失わせること)や相続欠格(相続に関する法律を犯す行為)によって相続人が相続権を失った場合にも発生します。


(4)法定相続人のまとめ

上記のように、法定相続人は被相続人の養子の有無や前配偶者がいたかどうか等、被相続人のみが知り得た事実によって変動する可能性があります。そのため、法定相続人の特定には戸籍収集を中心とした情報収集が不可欠となります。


4.法定相続分の具体例


(1)相続人が妻と子2人、前妻との子1人の場合

(2)相続人が配偶者と子1人、亡くなった子の子(孫)2人の場合


(3)相続人が配偶者と兄2人の場合


5.まとめ


法定相続分を目安に遺産分割を行うことが基本です。

そのためにも、法定相続人の特定が不可欠となります。

スムーズな法定相続人の特定から、遺産分割のためにも、相続が発生した場合早い段階で専門家に相談することをオススメします。


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